及川 聡子
(中央) 結 130.3×85cm
(右) 旋 130.3×194cm
園家 誠二
(右)星月夜Ⅰ 436.5×89.4cm
(左)星月夜Ⅱ 65×50cm
荒井 経
彷徨 (6点連作) 各24.2×66.6cm
三叉景によせて
グループ展の醍醐味とは、出品者同士の作品の調和による展示空間の妙ではないでしょうか。互いの作品が引き立て合い個展とは違った景色の旋律が会場に広がり、更に見る側に展示の意図や味わいが伝わるならそんなに素晴らしいことはありません。
しかしその前提には、個々の作品の良さ、つまりは高い技量や深い表現精神が必要であることは言うまでもありません。
この度ギャラリー和田から発信する「三叉景」と名付けられた三人の作家には、そう言った前提が充分に備わっていると私は思います。
荒井経のプルシャンブルーを用いた一連の作品から派生したインジゴの抑制された青の世界は特別な奥深さを感じます。地面に張った氷とその下から覗く植物を近視眼的に表わした及川聡子の作品の透明感は他に類を見ないものです。そして、園家誠二の充分な時間と丁寧な素材との対話から生み出される作品はまさに表現の結晶と言うに相応しいものです。
三人の作品が周りの空間を孕みあたかも雄大な景色のように広がりそして交わる時、「三叉景」という新たな眺望が現れるのではないかと私は心より期待しているのです。
佐藤美術館 学芸部長 立島 惠